白内障、加齢性黄斑(おうはん)変性症、パソコンによる眼精疲労に良い成分
■白内障とは
衝撃的なことに、アメリカン人の30%が65歳までに眼鏡やコンタクトレンズで補正できない根本的な視覚機能の問題に悩まされています。
高齢者の失明の最も一般的な原因は、白内障および加齢性黄斑(おうはん)変性症です。
とりわけ、白内障はあまりにも一般的で、老化プロセスとして不可避な現象として考えられています。しかし、近年の栄養医学により様々な可能性が見出されています。
白内障は、主に蛋白質と水とで構成されている眼用レンズ(水晶体)の混濁により生じてきます。白内障は、早い人では40歳前から生じていきますが、それによる実際の悪影響はかなり後になって現れてきます。
人体の細胞のほとんどは一定期間内に古い細胞から新しい細胞へと置き換わります。
しかしながら、目のレンズ(水晶体)はそのような交換はありません。誕生した時に授かったレンズをそのまま持ち続けるのです。
そのレンズが完全に透明なガラスで作られているかのように、通常、光は歪みのない眼のレンズを通過します。
五十年、六十年にわたり、あなたの目レンズは、太陽光からの紫外線(UV)やフリーラジカルによって生成される酸化ストレスによって損傷を受けるようになります。
この損傷(実際には、レンズ内のタンパク質が「塊」として出現し、レンズが濁りはじめる)が相当以上大きくなると、結果的に白内障が形成されます。
白内障の初期段階は、あまり気にならないほどの影響かもしれません。しかし、数十年にわたって進行するにつれ、白内障は明らかにより困難な状況をもたらす可能性が大きくなります。水晶体が濁り始めると、水晶体で光が散乱するため、霞んだり、物が二重に見えたり、まぶしく見えるなどの症状が出現し、進行すれば視力が低下し、眼鏡でも矯正できなくなります。
ほとんどの場合、白内障は加齢に関連し、それと共に進行していきます。
ただ、高血糖や糖尿病のようなある種の病気の結果として、又はコルチコステロイドやステチン関連薬など特定のお薬の長期使用に関連して発症したり、その進行が早くなることが医師達によって示唆されています。
■加齢黄斑変性とは
黄斑は、網膜の中心部分で水晶体を通じて入ってくる光の焦点部分にあたり、画像がもっとも鮮明に映し出す部分です(別の表現では、画像信号情報を最も収集し、視神経を通じて脳へ送る部分)。
したがって、黄斑は大変小さな部分ですが、黄斑が障害されるとそれ以外の網膜に異常がなくても視力が著しく低下し、字を読むことができなくなったりします。
加齢性黄斑(おうはん)変性症は、加齢や環境ストレスから網膜色素上皮に老廃物が蓄積、それにより直接的あるいは間接的に黄斑部分が損害をうけ目の機能に障害が発生するものです。
直線で出来ている格子のマスが歪んで見えたり、見える範囲の中央部分が曇って見えたり(霞んで見える)するようになります。
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■ルテインとゼアキサンチン
ルテイン及びゼアキサンチンは、目の水晶体(レンズ)と黄斑(おうはん)の主要構成成分で、適正な目の機能に不可欠です。ルテインとゼアキサンチンは、紫外線に近い青色光線を吸収する性質が有ります。
そして、その種の光線は最も高いエネルギーを有しています。それ故、その光線の波長が水晶体や網膜、黄斑へ最もダメージを与えるものと考えられています。
1990 年代に行われた複数の実験によると、ルテインとゼアキサンチンを大量に摂取した男女は、それらをあまり摂取しなかった男女と比べ、白内障発生の危険性が低かったことが示されました。
さらに、最近行われた二重盲目比較対照臨床実験で、ルテインの補給が白内障を患った人々の目の機能を改善したと言う結果が示されました。
55歳~77歳の男女17人をルテイン15mgを週3回投与したグループ、アルファトコフェロール100mgを週3回投与したグループ、そしてプラセボ対照薬を3回投与したグループとの3グループに分け、2年間にわたって比較観察されました。
アルファトコフェロールを摂取したグループは、視力の安定性が体験されました。
プラセボ対照薬を摂取したグループは、視力が低下しました。ルテインを摂取したグループは、視力とまぶしさに対する耐性が高まりました。
これらは、ルテイン補給が加齢から来る白内障を持った人の視機能に有益な効果を持つ可能性を示唆しています。
アメリカ医学雑誌に別の研究が記載されています。その記事のタイトルは、「ルテイン、ゼアキサンチン及び他の抗酸化剤における加齢性黄斑(おうはん)変性症危険性との関係」というものです。
55歳~80歳の加齢性黄斑変性症患者365人と健康な520人との比較です。カロチノイドの摂取は、加齢性黄斑変性症危険性の有意義な低下と関連しています。
特に、カロチノイドの最高摂取者はそのリスクにおいて43%低下しました。驚くことではありませんが、その研究の著者たちは、ルテインとゼアキサンチンが最もその危険性低下に関連している述べています。
ルテイン及びゼアキサンチンは、カロチノイドの一種で緑黄野菜や果物に含まれています。
緑黄野菜を大量に摂取することで、水晶体や黄斑の構造的完全性を維持するために必要な栄養素を得ることができると示唆されていまが、実際には、日々の食事からこれらの重要な栄養素を十分に摂取することは困難なことです。
また細胞膜に不可欠なリン脂質も重要な成分です。
リン脂質は、ルテインなど眼にとって重要な脂溶性成分と十分に混合することが可能で、血流内ルテインを効率的に吸収する働きがあることが多くの研究で示されています。
そして、リン脂質が目の網膜内にルテインの循環と蓄積を改善させることで、目の健康維持のために強力な万能的役割をもたらすことが研究で示されています。
■眼精疲労にはヨーロッパ産のカシス(black currant)に特有に含まれるシアニジン-3 - グルコシド(C3G)が有効
* シアニジン-3 - グルコシド(C3G) :
眼精疲労の改善など、注目すべき効用を持つことが多くの研究で示されていす。また、抹消血流を活発にさせるはたらきにより、筋肉のコリをほぐす効用も確認されています。
特に目や腰に対しては、摂取することでパソコン使用後の疲労具合を軽減させることが明らかになっています。
【まとめ】
目の健康には、ブルーベリーやビルベリーが有効とされていますが、この中に含まれているアントシアニンだけでは不十分です。ルテインとゼアキサンチンと、リン脂質が必要です。
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